2010年12月10日金曜日

Solar Cells World_solar cells

シャープがSolar Cellsの新ラインを堺で稼働へ、150億円投資
2010年 12月 1日 17:13 JST
 [東京 1日 ロイター] シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)は1日、結晶型Solar Cellsの新しい生産ラインを大阪府堺市の工場に建設すると発表した。投資額は150億円で、新技術を採用した単結晶Solar Cellsを年産200メガワットの規模で量産する。
 2010年度内の稼働を予定。これによりシャープの結晶型Solar Cellsの生産能力は、既存の奈良県葛城市の工場(年550メガワット)と合わせて年間750メガワット規模になる。
 堺工場には、新型の単結晶のSolar Cellsでセルからモジュールまでの生産を計画。単結晶の新技術は、セル表面の電極を裏面に配置することで受光面積を広げるととも、セル間の接続抵抗を低減して高効率にした。新型の単結晶Solar Cellsのモジュール変換効率、当初は17%台で始め、最終的に20%を目指す。現状は14―15%程度だという。堺工場での結晶Solar Cellsの量産は1期目として2本のラインを設置する。ただ、今後の結晶系の増産計画については未定という。
 一方で、薄膜型Solar Cellsは、イタリアのエネル社(ENEI.MI: 株価, 企業情報, レポート)などとの合弁工場が2011年後半に稼働する予定。当初の生産能力は年160メガワットで投資額は3.89億ユーロになる。これによりシャープの薄膜型Solar Cellsの生産能力は、既存の葛城工場(年160メガワット)、堺工場(同160メガワット)と合わせて同480メガワット体制になる見込み。
 大西徹夫・常務執行役員(ソーラー事業統轄)は同日の記者会見で「Solar Cells事業は、結晶・薄膜の両輪戦略を進める」との方針を改めて示した。同社は、Solar Cellsの世界需要について、09年度に8.4ギガワットだったのに対し、12年度には18.4ギガワットまで拡大するとみている。結晶型・薄膜型の需要動向では、09年度に比べて結晶型が1.9倍、薄膜型が3.6倍になるとの見通しを示した。
 シャープの今期のSolar Cellsの販売計画は1.3ギガワット。大西常務は「今期の世界需要は13ギガワットで、シャープの世界シェアは10%になるが、全体の伸びに対して今のポジションは維持していきたい」と語った。